結論:まず知っておきたい3つのポイント
- 今すでに飼っているミドリガメ(アカミミガメ)・アメリカザリガニは、手続き不要でこれまで通り飼育を続けられます
- 知人など少数の相手に無償で譲り渡す・譲り受けるのは規制対象外です。一方、購入(お店等でお金を払って入手すること)は原則禁止されています
- 野外に放すこと(自宅の池や逃走も含む)は禁止で、違反すると重い罰則の対象になり得ます
以下、それぞれの根拠と詳しい内容を整理します。
「条件付き特定外来生物」とは何か
2023年6月1日、ミドリガメ(アカミミガメ)とアメリカザリガニが「条件付き特定外来生物」に指定されました。この言葉は法律上の正式名称ではなく、環境省が使う通称です。仕組みとしては、この2種も法律上は特定外来生物に位置づけられますが、既に非常に多くの家庭で飼育されている実態を踏まえ、「無許可で飼育すること」自体は例外的に規制の対象外とされています(環境省・条件付き特定外来生物の規制について)。
もし通常の特定外来生物と同じ扱い(無許可飼育も禁止)にしていたら、飼いきれなくなった人が一斉に野外へ放してしまい、かえって生態系被害が広がる懸念があったため、この2種に限って「飼育は止めない代わりに、増やさない・広げない」という方向で規制が設計されています。
施行日は2つある点に注意
紛らわしい点として、施行日には2段階あります。
- 制度の枠組み自体(法律の全面施行):2023年(令和5年)4月1日
- ミドリガメ・アメリカザリガニの個別の規制開始:2023年(令和5年)6月1日
「2023年〇月から規制」という情報を見かけたとき、どちらの日付を指しているか確認すると混乱しにくくなります。
具体的に何が規制され、何が規制されていないか
環境省の公式ページ(規制の内容)をもとに整理すると、行為ごとに以下のように分かれます。
| 行為 | 扱い |
|---|---|
| 今すでに飼っている個体の飼育継続 | 規制なし(手続き不要) |
| 知人など少数への無償譲渡・譲り受け | 規制なし |
| 購入(お店等での有償の入手) | 原則禁止 |
| 不特定多数への無償の頒布(譲渡会など) | 原則禁止 |
| 販売・頒布を目的とした飼育 | 原則禁止 |
| 輸入 | 原則禁止 |
| 野外への放出 | 禁止 |
特に誤解されやすいのが「知人からもらうのはOK、お店で買うのはNG」という区別です。同じ「新しく飼い始める」でも、入手方法によって扱いが変わります。
違反した場合の罰則
輸入や販売目的の飼育、野外への放出といった重い違反には、個人で3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金(併科されることもあります)、法人で1億円以下の罰金という罰則が定められています(外来生物法第32条・第36条、環境省・罰則一覧)。
なお、うっかり逃がしてしまった場合(過失)についても、環境省は「違法となることがあります」と注意喚起しており、故意でなくても処罰の対象になり得るとされています。ただしこの点は「絶対に処罰される」と一律に明言されているわけではなく、状況によって判断が分かれる可能性があります。飼育中は逃走防止(フタ・脱走経路の確認)を徹底することが、法律面でもリスク回避になります。
よくある誤解
Q. 「もう飼えなくなった」って本当?
誤解です。 今飼っている個体は、これまで通り飼い続けられます。手続きも不要です。慌てて野外に放してしまうと、それこそ法律違反(放出禁止)になってしまうため、絶対にしないでください。
Q. これから新しく飼い始めることはできる?
条件付きで可能です。知人・友人などから無償で譲り受ける形であれば規制対象外ですが、ペットショップ等でお金を払って購入することは原則としてできません。
Q. アメリカザリガニも同じ扱い?
はい、同じ2023年6月1日に、アカミミガメと同時に条件付き特定外来生物に指定されており、規制内容の考え方も共通しています。
情報について:本記事は環境省の公式ページ・法令情報をもとに編集部が整理したものです。法律の解釈や個別の状況への当てはめは、最終的にはお住まいの自治体や専門家にご確認ください。本記事は法的な助言を目的としたものではありません。(最終更新:2026年8月)